岩座神の絵日記 2006年1月15日
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初総会の日
二つの写真は、どちらも、広峯神社の登り口あたりから眺めた岩座神の景色である。
かつては、広峯さんの祠(ほこら)からも、同じような、いや、多分もっと良い景色が見られた筈だ。残念ながら、今は、周囲の樹が邪魔をしていて、広峯さんからの眺望はあまり良くない。けれども、本来、里山の出っ張った尾根の上にあるその場所は、前方だけでなく右も左も眺望が開けていて、岩座神の棚田が一望できる絶好の展望所であった。それは農業の神である広峯さんにとっても、ふさわしい場所であった訳だ。
今日、広峯さんに参ったのは、正月の注連飾を外すためであった。
岩座神では、長年、一月十五日に部落の初総会を開くのを例としてきた。また、この日に、正月の注連飾をはずして焚火にくべるのも、昔からの習わしである。
数年前までは、一月十五日は「成人の日」として休日になることが約束されていたので非常に好都合だった。今は、ええと、一月の第二月曜日が「成人の日」になったのかな。なんでそんな馬鹿なことを決めたのか、気が知れない。日本の伝統を潰したいのかね。
今年は、たまたま、十五日が日曜日だ。
五霊神社の参道近くで、持ち寄った注連飾を焚火にくべている。
大昔には、他所で見掛けるような、もっと大きな火(このあたりでは「とんど」と言っている)を焚いていたらしい。その火が原因で村が火事になったことがあって、それ以来、大きな火を焚くことは止めてしまったと聞いている。
このあと、公会堂に集って、初総会を開く。一軒から一人づつ、いわゆる「戸主」が出てきて、役員から決算報告を受けたり、予算案を審議したり、うだうだ言ったり、けんかをしたり(ん?)する。
今年は、二年に一度の、役員改選の年だ。