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2006 年 10 月 7 日 (土)

岩座神の絵日記 2006年10月7日

秋祭準備

絵日記 2006-10-07 秋祭準備

朝から総出で五霊神社の秋祭の準備にかかる。

三人の御当人(おとうにん)が、神社の掃除をして、飾付けや供え物の準備をする。残りの者が、曳山車(ひきやま)の飾付けをしたり、参道に提灯や灯篭を立てたり、投光器や豆電球を設置したり、幟(のぼり)旗を立てたり、福引の賞品を買い出しに出かけたりする。

写真は、お宮さんの正面に提灯を吊ろうとしているところ。

朝から雨模様で境内が濡れている。

絵日記 2006-10-07 秋祭準備

昼食は公会堂でみんなで弁当を食う。

写真は、公会堂に付属する倉に収められている曳山車(ひきやま)。一応、飾付けが完了した様子だ。

絵日記 2006-10-07 秋祭準備

境内と参道の掃除、そして注連縄張りは御当人の仕事になっている。

雨が上がってからにしよう、夜までに準備が済んだら良い、などと言って、休憩を長めに取って、うだうだと話し込んだりしていたのだが、天気予報に反して、なかなか雨が降り止まず、結局、濡れながら外回りの仕事をすることになり、時間も押してきてしまった。

写真は、参道の入口にある大杉に注連縄を張っているところ。

準備が終って家に帰ったら、すでに食事が始っていた。妹が子供たちを連れて帰ってきていたり、かみさんの妹が子を連れて遊びに来てくれていたりして、総勢で十一人いた。賑やかな食事は楽しいもんだな。とびきり仕合わせな気分だ。

宵宮

絵日記 2006-10-07 秋祭宵宮

夜の八時すぎにお宮さんに詣る。

宮総代と御当人と区長は礼服で正装して、拝殿に坐って、宮入りを待つ。

他の氏子たちは、公会堂からお宮さんまで、太鼓と鉦(かね)と笛に合わせて唄いながら、曳山車を曳いて登ってくる。ときどき、煎り子を肴にして、茶碗で冷や酒を飲んだりして、急がずに、時間をかけて、ゆっくりと登ってくる。

九時半ごろに宮入り。

ピンぼけの写真で申し訳ない。

十時頃に、餅撒き。

餅撒きの面白さは、写真やビデオでは伝えられない。カメラなんぞ構えて冷静に見ていないで、アドレナリンをどばーっと分泌して、「こっち、こっち、こっち。こっちに撒いてくれー」と叫いたり、目ん玉をひん剥いて這いつくばって、拝殿の床に転がる餅に飛び付いたりしている方が何十倍も楽しい。

今年は自分が餅を撒く方だったから、もっと面白く、気持ちが良かった。

うひょひょひょひょ、どっちに撒いてやろうかな。ん、そっちか。あ、ほれ。今度はこっちか。あ、ほれほれ。うん、呼んだか? 声が小さいな。もう一度呼んでみな。

お大尽の気分である。バラ撒き行政が無くならない訳だ。

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2007 年 2 月 1 日 (木)

岩座神の予定表 2007年版

岩座神の年間行事予定表、2007年版です。

済んだ分については「絵日記」を掲載する予定です。

日付 種別 行事 絵日記
2007-01-21 (日) 蕎麦打ち大会(2006年度) 2007-01-21
2007-02-11 (日) 建国記念の日 獣害防止柵点検・山林呼称板設置 2007-02-11
2007-03-11 (日) 宮普請(東山枝打) 2007-03-11
2007-04-15 (日) 対面式 2007-04-15
2007-05-13 (日) 田植え祭 2007-05-13
2007-06-10 (日) 草刈り・肥料散布 2007-06-10
2007-07-01 (日) 川刈り 2007-07-01
2007-07-08 (日) 川刈り(予備日) 07-01に完了
2007-07-22 (日) 草引き・案山子祭 2007-07-22
2007-08-19 (日) 蕎麦種蒔き 2007-08-19
2007-09-02 (日) 宮普請(獣害防止柵点検) 2007-09-02
2007-09-24 (月) 振替休日 稲刈り・棚田の集い 2007-09-24
2007-10-06 (土) 秋祭宵宮 2007-10-06
2007-10-07 (日) 秋祭 絵日記なし
2007-10-08 (月) 体育の日 -- 脱穀・収穫祭 雨のため延期
2007-10-14 (日) 脱穀・収穫祭 2007-10-14
2007-10-14 (日) -- オーナー米引き渡し 玉突き順延
2007-10-21 (日 オーナー米引き渡し 2007-10-21
2007-10-21 (日) 蕎麦刈取り 2007-10-21
2007-10-27 (土) -- 蕎麦脱穀 雨のため中止
2007-10-28 (日) 蕎麦脱穀 2007-10-28
2007-10-29 (月) 蕎麦脱穀 絵日記なし
2007-10-30 (火) 蕎麦脱穀 2007-10-30
2007-11-04 (日) -- 蕎麦脱穀(予備日) 10-30に完了
2007-11-18 (日) 蕎麦選別・出荷 2007-11-18
2007-12-16 (日) 餅つき大会・藁細工教室 2007-12-16
2008-01-20 (日) 蕎麦打ち大会(2007年度) 2008-01-20

★印は棚田オーナー行事、○印は住民の出役作業、◎印はその他の行事です。

○印は岩座神住民の義務としての労働という色合が濃いもので、棚田オーナーやクラインガルテン住民に参加が要求されているものではありません。ただし、手伝ってもらうのは何時でも歓迎しています。

なお、天候などに左右されて予定が変更されるかもしれません。

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2007 年 5 月 13 日 (日)

岩座神の絵日記 2007年5月13日

棚田オーナー田植祭

絵日記 2007-05-13 棚田オーナー田植え祭

スタッフは朝8時から準備に着手。

写真は、小学生が作ってくれた「棚田新聞」を掲示しているところ。

去年の秋に、松井小学校の6年生が棚田のことを勉強するために岩座神にやってきた。四、五人のグループに分れて、それぞれ別のテーマで、津川先生・工藤先生・安田さんの指導を受けながら、棚田の実地調査を行った。その結果をグループごとに一枚の壁新聞にまとめたのだ。

これがなかなか面白く、つい読み耽ってしまう。

絵日記 2007-05-13 棚田オーナー田植え祭

10時から田植祭が始まる。

最初に公会堂の前で、簡単な挨拶と段取りの説明があり、それぞれの区画に分かれて田植えを始める。

スタッフは原則として田圃に入らず、畔から見守ることになっている。

写真は、大阪から来ている若い夫婦四組のグループ。まず旦那たちが田圃に入っている。

かみテレビのスタッフがビデオ・カメラを構えながらインタビューをしている。

絵日記 2007-05-13 棚田オーナー田植え祭

既に11時、だいたい半分ぐらい植えおわっている。

写真はB区画。この区画は、担当スタッフの指導が懇切丁寧を極めているため、非常に綺麗に植っていた。ただし、その分だけ、ちょっと作業が遅れ気味だったけれど。

左の奧の方に見える人だかりはA区画だ。

絵日記 2007-05-13 棚田オーナー田植え祭

お昼御飯は、いつものように、岩座神の婦人会が作る混ぜ御飯(五目飯)と、鶏肉とキャベツのバーベキューだ。

写真は、公会堂で、炊き上った混ぜ御飯をパック詰めしているところ。オーナーの人たちにも手伝ってもらっている。

絵日記 2007-05-13 棚田オーナー田植え祭

12時前には、すべての田圃で田植が終る。

みんなが公会堂に戻ってくるのを待ってから、五霊神社の参道で昼食を摂る。

田植えに参加した「オードブル」の仲間の方が書かれたブログを見付けました。

平成19年5月13日 日本棚田100選の岩座神の棚田で田植え

なんか、この絵日記よりも楽しそうだな。

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2007 年 9 月 2 日 (日)

岩座神の絵日記 2007年9月2日

防災訓練

絵日記 2007-09-02 防災訓練

今日は、町内で一斉に防災訓練が行われた。

朝8時にサイレンが鳴って、村中のものが公会堂に集った。

消防団の指導で、消火栓を使った初期消火の訓練をする。こういうのに慣れていない人こそ、ということで、女の人に操作をやってもらう。男たちは若いときに消防団に入っていたから、まあ、大丈夫だろうと言うことだ。

写真は、消火栓のコックをひねって放水を開始しようとしているところ。

絵日記 2007-09-02 防災訓練

こちらは筒先。

鹿柵点検

絵日記 2007-09-02 宮普請・鹿柵点検

防災訓練は1時間ぐらいで終って、その後、男たちは宮普請(みやぶしん)の日役(ひやく)で、鹿柵の点検補修をする。

鹿柵(害獣防止柵)の点検は、毎年、春と秋の二回行っている。

ここ二三年、周囲の山から猪の姿が消えたような感じだ。そのため、柵の下部がめくりあげられているような個所はほとんど無い。

絵日記 2007-09-02 宮普請・鹿柵点検

いつだったか、数人のおばさんたちと話をしたときの事だった。一人のおばさんがしみじみと言った。

「わたしら、町の方で住みたい思うときがあるわあ」

「ふうん、何で?」

「いやあ、いっぺんで良えさかい、鹿や狸が出て来やへん所で畑を作りたい」

という事で大笑いした。

この鹿柵のおかげで随分ましになっている。けれど、この夏にも、植えていた豆をきれいに鹿に食べられてしまった畑があった。

午後、草刈りの仕事があったのだが、カメラが故障して、写真を撮りそこねた。

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2007 年 9 月 16 日 (日)

岩座神の絵日記 2007年9月16日

蕎麦の花

絵日記 2007-09-15 蕎麦の花

蕎麦の花が咲き始めた。

これはクライン・ガルテンの田圃。

管理人さんがメールで写真を送ってくれた。

撮影は昨日だと思う。

絵日記 2007-09-16 蕎麦の花

こちらは、うちの田圃。今日の撮影。

絵日記 2007-09-16 蕎麦の花

クローズアップ。

五分咲きぐらい。つぼみもまだ沢山残っている

今週末ぐらいが満開かな。

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2007 年 9 月 24 日 (月) 振替休日

岩座神の絵日記 2007年9月24日

棚田オーナー稲刈り

絵日記 2007-09-24 棚田オーナー稲刈り

稲が少しまだ青いような気がするが、許容範囲だということで、年間行事予定どおり、棚田オーナーの稲刈りを行った。

參加する方もスタッフの方も、秋は何かと予定が詰まっている人が多いから、予定を変更することはなかなか難しい。

鋸鎌(のこぎりがま)を使って、手で刈る。

絵日記 2007-09-24 棚田オーナー稲刈り

刈った稲は、稲木(いなき)に掛けて、天日干しにする。

稲木に掛けた後でも稲の成熟が進むので、コンバインで刈ってその場で脱穀するのより、米が旨くなるそうだ。

棚田の集い

絵日記 2007-09-24 棚田の集い

一方、こちらは、棚田の集いで販売する焼きそばをスタッフが準備しているところ。

鉄板焼きの屋台は、今年も山野部(やまのべ)部落から借りてきた。

まぜご飯は公会堂で準備している。

この他にも、町の交流協会が臼と杵を持ち込んで、ワラビ餅の実演販売を行ってくれたり、隣村の棚釜(たなかま)のMさんが、ポン菓子と綿菓子の実演無料配付を行ってくれたりした。

絵日記 2007-09-24 棚田の集い

棚田の集いのコンサートで、トリを務めてくれる「アンジェラ」の皆さん。今回は、音響の設備もお世話して頂いた。

音響の設営が終り、リハーサルも済んで、公会堂で昼食をとろうとしているところ。

絵日記 2007-09-24 棚田の集い

稲刈りが終ったオーナーさんたちは、棚田の集いの会場(と言っても田圃です)に集って、昼食をとる。

このあたりから、ちょっと空模様があやしくなってきた。

絵日記 2007-09-24 棚田の集い

この仮設ステージは、総アルミ製の軽くて丈夫なやつで、なかなか使い勝手がよろしい。町の備品を借りてきたものだ。

雨が降ってきたので、急遽、ステージ上にテントを張った。このテントも借り物。

写真は、しゅう君、あおいちゃん、だいき君、おおたさんによる多可町音頭。

絵日記 2007-09-24 棚田の集い

棚田の集いは、最初は、岩座神の行事ではなく、町の企画課が主催する「棚田コンサート」だった。

音響設備を設営したり、棚田の歌のコンクールをして出演者を募ったり、その審査員として坂庭省吾さんを呼んできたり、棚田の歌のCDを作ったり、その運営と費用は、全面的に町が面倒を見てくれていた。

数年前、町からの予算が無くなったとき、棚田コンサートはこれで終りにしようという意見もあったのだが、小さな地味なものでも良いから自力で続けてみようということになった。

以前に比べて予算は格段に少ないけれども、棚田オーナーの人たちや、アマチュアのバンドの人たちや、いろんな人たちに支えられて、けっこう楽しいコンサートである。

絵日記 2007-09-24 棚田の集い

相合い傘。

絵日記 2007-09-24 棚田の集い

鄙には希な垢抜けした佳人たちとは思いませんか、御同輩。

一人、変な小父さんが雑じっているが、これは、アンジェラが呼んできてくれた、もう一つのアマチュアバンドの面々と、司会のお姉さん(進行表を持っている人)だ。

考えてみると、この司会のお姉さんが棚田の集いのスタッフで唯一のプロなんだな。「棚田コンサート」のころから、毎年、お世話になっています。

絵日記 2007-09-24 棚田の集い

大阪から来ているオーナーのいとうさんたちによる、韓国の農村の伝統舞踊。

数種類の太鼓と鉦(かね)や銅鑼(どら)を打ちながら踊る。

見ごたえ、聴きごたえがあります。

絵日記 2007-09-24 反省会

毎度のことながら、夕方から夜まで、スタッフの反省会。

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2007 年 10 月 6 日 (土)

岩座神の絵日記 2007年10月6日

秋祭準備

絵日記 2007-10-06 秋祭準備

岩座神では、長い間、体育の日が秋祭、その前の日が秋祭の宵宮だった。

休日の仕組みが変ってからは、体育の日の前の日曜日が秋祭、その前の土曜日が宵宮である。

それで今日は宵宮なのだが、朝から村中の男が出て、秋祭の準備をする。

写真は、五霊神社に御神灯を掛けているところ。

絵日記 2007-10-06 秋祭準備

曳山車(ひきやま)の玉垣を竹と檜葉(ひば)で作っているところ。

玉垣は毎年新調しなくてはならない。けっこう時間がかかる作業だ。

絵日記 2007-10-06 秋祭準備

飾付けが終った曳山車(ひきやま)。

今年は、御幣も新調した。

絵日記 2007-10-06 秋祭準備

準備が出来たお宮さんの参道。

橋の石段に曳山車(ひきやま)のための「あゆみ」が渡してある。

午後三時過ぎに準備が完了した。

秋祭宵宮

絵日記 2007-10-06 秋祭宵宮

それぞれ、家に帰って、帰省してきた親戚や招いた知人と一緒に秋祭の御馳走を食べて、そして、八時前になると、お宮さんのふもとの公会堂の所に集ってくる。

曳山車(ひきやま)庫のところで福引きをやっている。

絵日記 2007-10-06 秋祭宵宮

八時過ぎから曳山車(ひきやま)をお宮さんにあげる。

今年は参道をコンクリートで綺麗に整備したので、楽にあがる筈なのだが、それでも結構きつかった。

写真は、随神門(ずいじんもん)の所まで、やっと登ってきて、一休みしているところ。

このあと、宮入(みやいり)をして、餅撒き(もちまき)が行われる。

餅撒きの写真を撮ったら良いのだが、毎度の事ながら、そんな事をしている余裕は無いのだ。

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2007 年 10 月 14 日 (日)

岩座神の絵日記 2007年10月14日

棚田オーナーの脱穀作業

絵日記 2007-10-14 棚田オーナー脱穀作業

棚田オーナーの脱穀作業と収穫祭は、今年は10月8日の体育の日に予定されていたのだが、雨で延期され、10月14日に実施することになった。

参加できなかったオーナーも何組かあったし、参加したオーナーも全体として人数が少なめだった。オーナーの人たちも、岩座神のスタッフも、秋は予定が立て込んでいるから、出来れば、予定通りの日にやりたいものだ。農作業が天候によって左右されるのは、当り前と言えば当り前なので、仕方が無いのだが。

写真は、天日干した稲を稲木から降して、コンバインで脱穀しているところ。

コンバインというのは、稲刈り機と脱穀機と藁切り機が一体化(combined)されているところから、そう呼ばれている。ここでは、稲刈り機の部分は停止させて、脱穀機と藁切り機だけを動かしている訳だ。

マンネン草の植え付け

絵日記 2007-10-14 マンネン草の植え付け

棚田オーナーの脱穀作業と並行して、マンネン草の植え付け作業が神戸大学生のボランティアと岩座神の年長者の手で行われる。

中央、えび茶のセーターを着ているのは、久しぶりに「里帰り」してくれた篠原君。

収穫祭

絵日記 2007-10-14 収穫祭

脱穀作業とマンネン草の植え付けの作業が終ると、収穫祭が始まる。

棚田の集いのコンサートのような派手な行事はない。岩座神の新米で作ったおにぎりと豚汁を食べて、のんびりと収穫を祝う。

「岩座神の新米」と言っても、棚田オーナーの田圃とは別の田圃で出来た米だ。棚田オーナーの田圃の米は、今日脱穀したばかりで、まだ玄米にもなっていない。おにぎりは、真白いプレーンなやつと、葉わさび漬(これも岩座神産)を混ぜ込んだ青いやつの二種類。旨いで。

絵日記 2007-10-14 収穫祭

今年は、去年とは違って、車を運転する人は飲まないでくださいという趣旨の張り紙を出した上で、アルコール類を提供した。酒を飲むのが悪いのではなくて、酒を飲んで運転するのが悪いのだ、ということだ。

天気は良いし、おなかも大きくなったし、気持ち良く昼寝する人もちらほらと見える。

今年の案山子コンテストの投票結果は以下の通り。

区画 かかし 賞品
一等賞 C-4 竹とんぼ 岩座神の米(白米) 20 kg
二等賞 D-3 えちぜんくらげ 15 kg
三等賞 C-3 おじさん 10 kg

2007-07-22 案山子のポートレート 2007

なお、今年から、脱穀した籾をその日に籾摺りして玄米を棚田オーナーに持って帰ってもらう、という去年までのやりかたを改めた。今日、脱穀した籾は、乾燥状態を確認した上で、岩座神のスタッフが籾摺りを行い、一週間後に玄米を棚田オーナーに引き渡す。

このように方式を改めるに至った理由については、去年の収穫祭の絵日記を参照して欲しい。岩座神の絵日記 2006年10月9日 (続き)

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2007 年 10 月 20 日 (土)

岩座神の絵日記 2007年10月20日

人文地理学会公開セミナー

神戸市勤労会館で、人文地理学会の公開セミナーがあった。

「文化的景観の意義と保全」というテーマのもと、下記のプログラムで講演と報告が行われた。

  • 基調講演:日本における文化的景観の意義
    • 金田章裕(人文地理学会会長 京都大学)
  • 報告1:地域を繋ぐため池景観
    • 合田博子(兵庫県立大学)
  • 報告2:稲美町におけるため池群の保全活動
    • 岸本一幸(稲美町教育委員会文化課)
  • 報告3:棚田景観の保全・活用と文化的景観
    • 五十嵐勉(佐賀大学)
  • 報告4:岩座神における棚田保全活動と棚田オーナー制度
    • 木原伸夫(岩座神棚田保全推進協議会)
  • 全体討論
    • 司会 秋山道雄(滋賀県立大学)

報告4が僕である。

場違いな所に紛れ込んでしまった。断れば良かった、と、ちょっと思った。

しかし、縁が広がりそうなことは、何でもかんでも、辞退せずに引き受けて、とにかくやってみるというのが、岩座神の流儀なのである。棚田オーナー制度を始めて以来、この11年間、そうやって来た。

最近は、セミナーや会議に報告者として招かれることも多くなった。先日(10月15日)も、福井県で行われた「美(うま)し近畿」景観セミナーに、棚田保全推進協議会から二人が事例報告者として参加している。いつの間にか、岩座神は「棚田」の先進地、成功事例として扱われるようになってしまったのである。

そんな訳で、まあ、何とかなるわい、と思って引き受けた。

絵日記 2007-10-20 人文地理学会公開セミナー

写真は、五十嵐先生の報告、「棚田景観の保全・活用と文化的景観」。

五十嵐先生は佐賀県唐津市相知町の蕨野(わらびの)の棚田に深く関わっておられる方で、非常に興味深い話を聞くことが出来た。

棚田の現場を良く知り、具体的なノウハウも豊富に持っておられるので、是非一度、岩座神にお迎えするか、こちらから佐賀に出向いて、ゆっくりとお話を伺いたいと思った。

絵日記 2007-10-20 人文地理学会公開セミナー

津川先生。僕が報告をするというので、セミナーに来てくださった。

全体討論の時に、岩座神の棚田について、先生の研究の一端を紹介して、応援してくださった。

文化的景観

「文化的景観」というものについては、金田(きんだ)先生が、基調講演で、分りやすく見通しの良い基本的な枠組みを提示してくださった。

最初、僕は、こういう「文化的景観」という概念には、そこに生活する者の視点が欠けているのでないかと思っていた。つまり、「日本の原風景」を見て感傷にひたりたい都会の知識人や、綺麗な風景や「素朴な人々」を写真に収めたいアマチュア・カメラマンのような、田舎の生活環境を外から眺めて楽しみたい人たちの発想だと思っていた。

そういう面がまったく無いとは、今も、思っていない。

しかし、五十嵐先生もそうだが、金田先生も、「文化的景観」の現場の生活を非常に良く理解しておられる。住民と行政、あるいは住民同士の間に入って、意見のとりまとめをしたり、利害調整を行ったり、さらには村興しのコンサルタントまでしたりして、学者とは思えない泥臭い仕事を沢山こなしておられる。その姿勢は非常に現実的であり、住民の生活を無視しては文化的景観の保全が有り得ないという事を明言しておられる。

文化的景観については、文化庁のページや Wikipedia にも記述があるが、残念ながら、あまり明快だとは思えない。次の文書(PDF)の冒頭で金田先生が述べておられる部分が、少し長いが理解しやすいと思う。一読することをお奨めする。 『文化的景観の意義と活用方策について』

景観保全は生活闘争だ!

僕の報告は、棚田オーナー制度の活動を中心に、岩座神の一年間を写真で紹介するものにした。謂わば、この「絵日記」の縮刷版だ。

最初は、棚田オーナー制度を開始してからの11年間を年表形式にまとめて発表しようか、とも思った。そのために、区長さんの日誌(『岩座神行事日誌』)を借りてきて、過去にさかのぼって、何があったかを調べかけもした。しかし、その試みは簡単に挫折した。11年間の区長日誌の分量ときたら、半端じゃないのである。棚田とか村作りとかに限っても、取り上げるべき事柄が多すぎる。これを整理して纏めるのは短時日では無理だと諦めた。

かと言って、文化的景観の保全と棚田オーナー制度との関係について、何か理論的に講釈できるかと言うと、そんな事はとうてい出来る訳がない。だいたい、主催者も、そんな事を期待してはいないだろう。

結局、岩座神の住民の「棚田」や「景観」に関わる活動をなるべく具体的に紹介するのが一番良いと思い、この「絵日記」の2006年分から抜粋して、岩座神の一年間をパワーポイントの原稿に纏めることにした。(締切りに迫られたという事情もある。)

表題を「景観保全は生活闘争だ!」と付けた。

棚田オーナー制度の活動は、棚田を守るための活動ではあるが、棚田という資産によって岩座神の生活を守るための活動でもある。楽しいけれども、生活闘争としての面を大いに持ったものなのだ。

報告の配付資料 - 『景観保全は生活闘争だ!』

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2008 年 2 月 1 日 (金)

岩座神の予定表 2008年版

岩座神の年間行事予定表、2008年版です。

済んだ分については「絵日記」を掲載する予定です。

日付 種別 行事 絵日記
2008-01-20 (日) 蕎麦打ち大会(2007年度) 2008-01-20
2008-02-10 (日) 獣害防止柵点検他 2008-02-10
2008-03-09 (日) 宮普請 2008-03-09
2008-04-13 (日) 対面式 2008-04-13
棚田保全活動共同作業 中止
2008-05-18 (日) 田植え祭 2008-05-18
2008-06-15 (日) 草刈り・肥料散布 2008-06-15
2008-07-06 (日) 川刈り・道刈り 絵日記なし
2008-07-13 (日) 川刈り・道刈り(予備日) 中止
2008-07-27 (日) 草引き・案山子祭 2008-07-27
2008-08-17 (日) 蕎麦種蒔き 2008-08-17
2008-08-31 (日) 宮普請(獣害防止柵点検) 2008-08-31
2008-09-28 (日) 稲刈り・棚田の集い 2008-09-28
2008-10-11 (土) 秋祭宵宮 2008-10-11
2008-10-12 (日) 秋祭 絵日記なし
2008-10-13 (月) 体育の日 脱穀・収穫祭 2008-10-13
2008-10-19 (日) オーナー米引き渡し 絵日記なし
蕎麦刈取り 2008-10-19
2008-10-25 (土) 蕎麦脱穀 延期
2008-10-26 (日) 蕎麦脱穀 延期
2008-10-28 (火) ~ 30 (木) 蕎麦脱穀 2008-10-28
2008-11-16 (日) 蕎麦選別・出荷 2008-11-16
2008-12-14 (日) 餅つき大会・藁細工教室 2008-12-14
2009-01-18 (日) 蕎麦打ち大会(2008年度) 絵日記なし

★印は棚田オーナー行事、○印は住民の出役作業、◎印はその他の行事です。

○印は岩座神住民の義務としての労働という色合が濃いもので、棚田オーナーやクラインガルテン住民に参加が要求されているものではありません。ただし、手伝ってもらうのは何時でも歓迎しています。

なお、天候などに左右されて予定が変更されるかもしれません。

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2008 年 3 月 9 日 (日)

岩座神の絵日記 2008年3月9日

春の宮普請

絵日記 2008-03-09 春の宮普請

岩座神では、年に二度、春と秋に、氏神である五霊神社の社殿や境内を整備するための日が設けられていて、「宮普請(みやぶしん)」と呼ばれている。今日が春の宮普請である。

宮普請と言いながら、御当人(おとうにん、宮当番)以外は山に入って枝打ちや間伐をしたりする事もある。と言うか、その方が一般的である。

今日は、午前中はお宮さんの境内の整備。

写真は、伐り落したホソバタブの大枝を片付けているところだ。

五霊神社の境内には、県の天然記念物に指定されたホソバタブの大木が3本あるのだが、いくつかの太い枝や幹の中が空洞になっていて、強い風が吹くと(あるいは何もしなくても)折れて落ちる心配があった。

お宮さんの境内は、棚田オーナー行事でもよく使う場所なので、安全のために、少し前に専門家に依頼して、危険性が大きい大枝を伐り落して貰ったのである。費用は50万円だったそうだ。

この他、車止めのチェーンを設置したりした。

絵日記 2008-03-09 春の宮普請

午後、いくつかの班に分れて、木造の橋にクレオソートを塗ったり、欄干のペンキを塗り替えたりする。

我が班は、岩座神の入口に立っている歓迎大看板の塗り替えである。

外枠部分と裏側はクレオソートを塗る。内側部分は、文字以外は、茶色の木工用ペイントである。

絵日記 2008-03-09 春の宮普請

看板の文字の部分は水性のアクリル・ペイント。

「棚田と」はミント・グリーンの純色。

「七不思議の里」はレッドとイエローとグリーンを適当に混ぜた色である。数人ですったもんだの議論をしながら色を決めた結果、こうなった。僕はレッドの純色を推奨したのだが、通らなかった。

「岩座神」は、写真では白に見えるが、クリームの純色である。

絵日記 2008-03-09 春の宮普請

化粧直しが済んだ歓迎大看板である。

四時前に作業を終了して、一旦、全員帰宅。五時半に再度集合して、村で行う葬儀の取り決めについて協議をする。そして、その後、宮普請恒例の慰労会。

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2008 年 8 月 31 日 (日)

岩座神の絵日記 2008年8月31日

宮普請

秋の宮普請。

お宮さんの当番(御当人)は五霊神社の掃除などをするが、他の者は、害獣防止柵の点検整備や、山林の整備作業をすることになっている。

岩座神 2008年8月31日 山に捨てられたゴミ

害獣防止柵(鹿柵)の点検作業のときに見つけたゴミ。道路の近くの場所なので、どこかの馬鹿が車から捨てたものだと思われる。

缶ビールの空き缶やら、コンビニ弁当の容器やら。

絵日記 2008-08-31 秋の宮普請

害獣防止柵(鹿柵)の点検は午前のうちに簡単に終った。

今日の作業のメインは、例年、アストラゼネカに草刈りをしてもらっているあたりの整備作業である。

ボランティアを受け入れるのにも、それなりに準備作業が必要な訳だ。

ただいま休憩中。

絵日記 2008-08-31 蕎麦の生育状況

二週間前に蒔いた蕎麦が順調に成育している。

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