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1997 年 7 月 1 日 (火)

棚田オーナー制度

1997年5月 岩座神

岩座神は「日本の棚田百選」にも選ばれた棚田の村です。

1997年から岩座神では「棚田オーナー制度」が始まりました。

「棚田」とはどんなものか、「棚田オーナー制度」とはどういうものか、ちょっと見ていって下さい。

※ 以下は、主として1997年に作成し、1998年、1999年、2002年に若干の加筆を行ったものです。

棚田オーナー制度とは

まじめに農業に取り組み、自然とふれあう勇気を持ち、地域になじめる方または家族に、単に米作りを楽しむだけでなく、美しい景観を誇る岩座神地区をみんなで守っていくことに積極的に協力してもらうために始められた。1区画100平方mで10区画を募集した。会費は5万円。

「加美町への想い」「志望動機」「自己アピール」などの作文を含む申し込みアンケートを書類選考し、10組が選ばれた。

  • 特典として
    • 一から十までプロの指導を受けて低農薬栽培の米作りが体験でき、収穫した米は全部持ち帰ることができる。
    • 加美町の宿泊施設が安く利用できる。
    • 加美町の特産品がもらえる(1万円相当)など。
  • オーナーの義務は
    • 田んぼに入って米を作る。
    • 自然とまじめにつきあう。
    • 地域の人たちになじみ、仲良くする。
    • 地区の美しい景観を守るため、美化活動に積極的に参加する。
    • 田植え、ヒエ引き、月2回の草刈り、刈り取り、稲木などは自分でやること(田すき、田ごしらえ、普段の水管理、消毒、施肥、脱穀、乾燥、もみすりなどは農家が行う)など。

『広報かみ』1997年6月号より

そもそも、棚田(たなだ)とは、どんなものか

1994年7月 夏の棚田

こんなもんです。写真を見てもらうと一番よくわかる。山肌を切り開いて作られた「段々畑」のような田んぼです。

岩座神には、大小あわせて465枚の棚田があります。

そして、全国棚田サミットに参加した木原博さんの話によると、「岩座神の棚田みたいに石垣がシャキッとして奇麗なやつは珍しいんじゃ」という事です。石垣の高さは平均 2 m、高いところで 5 m。石の組み方などから見て、鎌倉時代にさかのぼるそうです。

ところが、そういう自慢話だけで済むわけでなくて、、、

棚田の農業はしんどい

さすがに、岩座神の棚田とはいえ、今ではほとんどの農作業に機械を使います。それでも、平地の圃場(ほじょう)整備された大きな田んぼにくらべれば、その作業効率の悪さは明白でしょう。大きな機械が使えませんから。

おまけに、山の中のこと、夜中になると、イノシシもシカもタヌキもキツネも出て来る。出て来て、協力はしてくれない。田んぼや畑に入って、作物を食い荒らしていく。動物たちの苦境も知らないわけではないけれど、やっぱり、だめ、困ります。

なぜ、棚田を守りたいのか

1997年5月 岩座神

棚田の価値として、

  • 自然と共存した風景としての棚田の景観がすばらしい
  • 棚田には治水などの面で環境保全効果がある

というようなことも言われています。だから、守る必要があるんだ、という議論ですね。

農家としては、

  • 先祖から受け継いだ田んぼを自分の代で荒らしたくない

という理屈抜きの気持ちも根強くあります。

何よりも、人が住んで生活していく限りは、周囲の環境を手入れの行き届いた状態にしておきたいというのが、ごく当然の願いなのだろうと思います。かつて田んぼであったところが耕作放棄されて山林に呑み込まれ、美しかった石垣が無残にこわれていく様子を見、ゆっくりと村が廃れて行くのを予感することは、現にその地に住んでいる者にとっては、なんとも言えない嫌な気分ですから。

だれか手伝ってくれないだろうか

という訳で、「棚田オーナー制度」が始まったという次第です。

制度の導入については、1995年、高知県檮原町で開かれた「全国棚田サミット」に参加し、全国で始めてオーナー制度を導入した現地の棚田を見学したことが、きっかけになったようです。

このページの最初に掲げたような規約でオーナーを募集したのが、1997年の2月中旬でした。問い合わせの数だけでも、総数200件にのぼり、最終的に応募してきた人は81組にもなったそうです。

これは面白い

棚田オーナーの看板に名前を記入
田植えを指導

5月11日にオーナー田の田植え祭りが行われました。

村中、ほぼ総動員で田植えの指導や手伝いをしたり、ご飯を作ったりしました。(木原も、100人分ぐらいの焼きそばを作ったんですぜ。)

皮肉な見方をすれば、「手伝ってもらわない方が、手間もかからず効率も良いんじゃないの」ということになりそうです。それは、その通りで、田植え機を使えば一人で2時間ぐらいで済むところを、総勢100人ぐらいが半日かけてやってるんだから、純粋な作業効率だけを見れば、何をやってるのかという話になります。

歌を楽しむ棚田オーナー

ところが、面白かったんですよ、これが。

田んぼに入って泥だらけになって田植えをしたオーナー達も面白かったようだけれど、それ以上に、祭りの準備や世話をした岩座神の住人は、誰に聞いても、「面白かった」と言っています。

岩座神とその自然環境に価値を認めてくれる人が居ること、そして、棚田で農作業をしたいという人が居ること、これは思いがけない嬉しい発見でした。そして、そういう人たちと交流することは、何にもまして、岩座神を活気付けてくれるものでした。

二年目、三年目

1998年5月

二年目の1998年、オーナーの数が20組に増えた。

去年は、最初の年でもあり、まぁ、とにかくやってみよう、という感じだった。採算が合うかどうかよりも、人が来てくれること自体が大切だと、村のみんなが考えていた。いわば、お祭りだ。楽しければ良かった。

今年も、基本的には同じ事なのだけれど、いくらか冷静になって、お互いの利害関係をしっかりと調整しなければならないと考えるようになった。あ、僕が考えているわけではない。のーてんきな僕は、田植え祭りで焼きそばを焼いて、楽しかったと思っているだけ。村の役員さんたちは、この制度を長続きするものにするために、都会のオーナー(借り手)、村の貸し主、村全体の誰もが納得できるような仕組み・方法を作り上げなければならないと考えているらしい。

「来年は30組だ」という積極的な意見もあるが、おおかたは、「20組ぐらいが限度かな」という意見のようだ。

1999年7月

三年目の1999年、オーナーの数は20組のまま。

何組か、オーナーの入れ替わりがあった。最初の年からオーナーを続けている人たちも多い。田植えをするお父さんの背中に負われていた赤ん坊が、今では田圃の中で泥遊びをしたりしている。

去年までは棚田オーナー制度のために町から補助金が出ていたが、今年からはもう出ないのだそうだ。岩座神の棚田オーナー制度は順調に軌道に乗りそうな感じだ。

書籍

日本の棚田 - 保全への取組み

  • 著者:中島 峰広
  • 出版社:古今書院
  • 1999年2月5日発行 240ページ A5判 \3,200

目次

  • 棚田の起源とその用語
  • 棚田についての先行研究
  • 棚田の分布と地形との関係
  • 棚田の形態と特質
  • 棚田の灌漑施設と水利慣行
  • 棚田の機能
  • 棚田の耕作放棄
  • 棚田の保全
  • 棚田保全への取組み
  • 保全方法の比較と検討
  • 棚田オーナー制の展開
  • 棚田オーナー制についての比較検討とその評価

オーナーの一人である箕面市の田中さんから、「こんな本がありますよ」と教えていただきました。

まだ木原は読んでいないのですが、棚田についてまじめに勉強するつもりなら、ちょうど良い出発点になるのでないかと思います。

棚田オーナー制については、高知県檮原町をはじめとする先進地の事例が中心になっていて、岩座神も名前だけは出てくるそうです。

2000年 - 2002年

2000年 - 2002年

岩座神の棚田オーナー制度は、今のところ、順調に運営されている。

棚田オーナー制度をきっかけとして、岩座神の村の様子は、ここ2-3年の間に、非常に大きく変化した。

岩座神は、農村地区としては珍しく「景観形成地区」としての指定を受けた。

また、補助金を得て、生活道および農道や用水路を整備することが出来た。今年度には、田の畦の整備も予定されている。

さらに、今年の春には、滞在型市民農園施設「クラインガルテン岩座神」というものがオープンした。

そして、岩座神は、いつの間にか、棚田の先進地域としてけっこう有名になり、いろんな所から視察者が訪れるようになった。

棚田オーナー・アンケート

西脇農業改良普及センターが、1997年、1998年、1999年に棚田オーナーだった人たちに対して、アンケート調査をして、その結果を 2001年1月に発表している。

非常に面白いので、是非、読んでいただきたい。

2001-04-01 岩座神棚田オーナー・アンケート結果

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1999 年 9 月 1 日 (水)

岩座神の予定表 1999年秋冬版

岩座神の棚田に関係した予定表です。1999年秋冬版。

日時 / 行事 / 詳細

  • 9月17日(金)~ 19日(日)頃
    • 稲刈り(一般の田圃)
      • 機械(小さなコンバイン)で刈取りと脱穀を同時にやるのが普通です。そのまま乾燥機に放り込みます。
  • 9月26日(日)
    • オーナー田の稲刈り
      • 鎌で刈って、稲木(いなき)に掛けて、天日干しにします。脱穀はもっと後になります。
    • 棚田コンサート
      • アマチュア・バンド5組+坂庭省吾。
    • 餅つき・野菜即売
  • 10月3日(日)
    • 蕎麦刈り
      • 蕎麦の刈取り。人手不足が心配されています。(予定変更。17日に延期されました。)再度、予定変更。やっぱりやります。というか、やりました。ごめんなさい。
  • 10月9日(土)
    • 五霊神社秋祭り(宵宮)
  • 10月10日(日)
    • 五霊神社秋祭り
  • 10月11日(祝)
    • オーナー田収穫祭
      • 天日干しにした稲を脱穀し、籾摺り(もみすり)して玄米にし、袋に詰めて持ち帰ります。|
    • 案山子コンテスト
      • 今日まで活躍(?)してくれた案山子のコンテスト。
  • 10月17日(日)
    • 蕎麦刈り
      • 蕎麦の刈取り。人手不足が心配されています。当初の予定通り、3日に行われました。
  • 12月12日(日)
    • 注連縄作り
      • 村老人会の指導のもと、棚田オーナーが注連縄作りに挑戦
    • 餅つき

予定がころころと変更されたような気がしますが、気のせいでしょうか。

NASAのスペースシャトルですら、天候で打上げ予定が変わります。ましてや、お天気まかせの農作物が相手ですから、これぐらいは誤差の範囲ということで、どうか大目に見てください。

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2004 年 2 月 1 日 (日)

岩座神の予定表 2004年版

岩座神の年間行事予定表です。2004年版。

日時 / 行事 / 詳細

  • 1月30日(土)2004-01-30 写真コンテスト募集締切
    • ◎ 写真コンテスト募集締切
      • 2004-01-30 2003年「岩座神 棚田の里の風景」写真コンテスト募集 の締切です。
  • 2月15日(日)2004-02-15 猪・鹿柵点検
    • ○ 猪・鹿柵点検
  • 未定
    • ★ 棚田オーナー募集
      • 募集要項などの詳細は、決定し次第、お知らせします。
      • 2004-02-01 2004年度 岩座神棚田オーナー募集
  • 3月7日(日)2004-03-07 宮普請
    • ○ 宮普請
      • 山林整備(枝打ち)。
  • 3月14日(土)2004-03-14 棚田オーナー選考会
    • ★ 棚田オーナー選考会
  • 3月28日(日)2004-03-28 クラインガルテンの田圃の整備
    • ○ クラインガルテンの田圃の整備
  • 4月18日(日)2004-04-18 棚田オーナー対面式
    • ★ 棚田オーナー対面式
      • 棚田オーナー(都会から米を作りに来る人たち)と棚田保存会(岩座神の住人)の初顔合わせ。お互いの自己紹介やら、農業改良普及センターの人による米作り講習会。そして区画の抽選が行なわれる。
  • 5月16日(日)2004-05-16 棚田オーナー田植え祭
    • ★ 棚田オーナー田植え祭
      • 水田に入って、苗を手で植える。
  • 6月13日(日)2004-06-13 棚田オーナー草刈り、肥料散布
    • ★ 棚田オーナー草刈り、肥料散布
      • 石垣や畦道の草刈り、肥料の散布。
  • 7月4日(日)2004-07-04 川刈り
    • ○ 川刈り
      • 川や道端の雑草を刈る。
  • 7月25日(日)2004-07-25 棚田オーナー草引き作業 ...
    • ★ 棚田オーナー草引き作業
      • 水田の中の雑草を引き抜く。
    • ★ あまごつかみ
      • 川に放流されたあまごを手で掴んで獲る。子供たちのためのアトラクション。串に刺して塩焼きにして食する。
    • ★ 案山子作り
      • 案山子を作って田んぼの畦に立てる。
    • ◎ 万年草挿し芽
      • 石垣を飾る万年草の苗を育てるために、ポットに挿し芽をする。
  • 8月29日(日)2004-08-29 蕎麦種蒔き
    • ○ 蕎麦種蒔き
      • 蕎麦の種を蒔く。
  • 9月5日(日)2004-09-05 宮普請
    • ○ 宮普請
      • 山林整備。
  • 9月26日(日)2004-09-26 棚田オーナー稲刈り ...
    • ★ 棚田オーナー稲刈り
      • 鎌(のこぎり鎌)を使って稲を刈り取り、稲木に掛けて天日干しにする。
    • ◎ 棚田コンサート ?
      • 棚田コンサートについては、開催するかどうかも含めて、現在、検討中です。
  • 10月9日(土)~ 10月10日(日)2004-10-09 宵宮 2004-10-10 秋祭
    • ○ 秋祭り
      • 9日(土)が宵宮。
  • 10月11日(月)体育の日2004-10-11 棚田オーナー脱穀・籾摺り ...
    • ★ 棚田オーナー脱穀(だっこく)・籾摺り(もみすり)
      • 稲から籾粒だけを取るのが脱穀、籾粒から殻を取り除いて玄米にするのが籾摺り。収穫した玄米は袋に入れて持ち帰る。
    • ★ 収穫祭
      • トン汁で収穫を祝う。案山子コンテストもある。
  • 10月24日(日)2004-10-24 蕎麦の刈取り
    • ○ 蕎麦の刈取り
      • 蕎麦の刈取り。脱穀は次の日曜日に。
  • 10月31日(日)2004-10-31 蕎麦の脱穀
    • ○ 蕎麦の脱穀
      • 刈取った蕎麦をスレッシャーにかけて脱穀する。脱穀した実は、乾燥機に入れて乾かす。
  • 11月7日(日)2004-11-07 蕎麦脱穀予備日
    • ○ 予備日
      • 例年、蕎麦の収穫作業は、天候に左右されて予定どおりに実施できない場合が多くあります。そのための予備日です。
  • 11月21日(日)2004-11-21 蕎麦の選別、出荷
    • ○ 蕎麦の選別、出荷
      • 乾燥した蕎麦の実を唐箕(とうみ)にかけて選別し、袋詰めして出荷する。
  • 12月19日(日)2004-12-19 棚田オーナー藁細工教室 ...
    • ★ 藁細工教室 - 注連縄作り
      • 岩座神の老人会の指導のもと、しめなわ作りに挑戦する。
    • ★ もちつき大会
  • 1月23日(日)2005-01-23 棚田オーナー蕎麦打ち大会
    • ★ 蕎麦打ち大会
      • 岩座神で収穫した蕎麦粉を使って、手打ち蕎麦に挑戦する。

★印は棚田オーナーが主体の行事、○印は村民が主体の行事、◎印はその他の行事です。○印は村民の義務としての労働という色合が濃いもので、棚田オーナーやクラインガルテン住民に参加が要求されているものではありません。

天候などに左右されて若干の予定変更があるかもしれません。

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2005 年 2 月 1 日 (火)

岩座神の予定表 2005年版

岩座神の年間行事予定表です。2005年版。

日時 / 行事 / 詳細

  • 2月6日(日)2005-02-06 猪・鹿柵点検
    • ○ 猪・鹿柵点検
  • 3月21日(振替休日)2005-03-21 宮普請
    • ○ 宮普請
  • 4月17日(日)2005-04-17 棚田オーナー対面式
    • ★ 棚田オーナー対面式
      • 棚田オーナー(都会から米を作りに来る人たち)と棚田保存会(岩座神の住人)の初顔合わせ。お互いの自己紹介やら、農業改良普及センターの人による米作り講習会。そして区画の抽選が行なわれる。
  • 5月15日(日)2005-05-15 棚田オーナー田植え祭
    • ★ 棚田オーナー田植え祭
      • 水田に入って、苗を手で植える。
  • 6月12日(日)2005-06-12 棚田オーナー草刈り、肥料散布
    • ★ 棚田オーナー草刈り、肥料散布
      • 石垣や畦道の草刈り、肥料の散布。
  • 7月3日(日)2005-07-03 川刈り
    • ○ 川刈り
      • 川や道端の雑草を刈る。
  • 7月10日(日)2005-07-10 川刈り予備日
    • ○ 川刈り予備日
  • 7月24日(日)2005-07-24 棚田オーナー草引き作業 ...
    • ★ 棚田オーナー草引き作業
      • 水田の中の雑草を引き抜く。
    • ★ あまごつかみ
      • 川に放流されたあまごを手で掴んで獲る。子供たちのためのアトラクション。串に刺して塩焼きにして食する。
    • ★ 案山子作り
      • 案山子を作って田んぼの畦に立てる。
  • 8月21日(日)2005-08-21 蕎麦種蒔き
    • ○ 蕎麦種蒔き
      • 蕎麦の種を蒔く。
  • 9月4日(日)2005-09-04 宮普請
    • ○ 宮普請
      • 山林整備。
  • 9月25日(日)2005-09-25 棚田オーナー稲刈り ...
    • ★ 棚田オーナー稲刈り
      • 鎌(のこぎり鎌)を使って稲を刈り取り、稲木に掛けて天日干しにする。
    • ◎ 棚田コンサート
  • 10月8日(土)~10月9日(日)2005-10-08 宵宮 2005-10-09 秋祭
    • ○ 秋祭り
      • 8日(土)が宵宮。
  • 10月10日(月)体育の日2005-10-10 棚田オーナー脱穀・籾摺り ...
    • ★ 棚田オーナー脱穀(だっこく)・籾摺り(もみすり)
      • 稲から籾粒だけを取るのが脱穀、籾粒から殻を取り除いて玄米にするのが籾摺り。収穫した玄米は袋に入れて持ち帰る。
    • ★ 収穫祭
      • トン汁で収穫を祝う。案山子コンテストもある。
  • 10月23日(日)2005-10-23 蕎麦の刈取り
    • ○ 蕎麦の刈取り
      • 蕎麦の刈取り。脱穀は次の日曜日に。
  • 10月30日(日)2005-10-30 蕎麦の脱穀
    • ○ 蕎麦の脱穀
      • 刈取った蕎麦をスレッシャーにかけて脱穀する。脱穀した実は、乾燥機に入れて乾かす。
  • 11月6日(日)2005-11-06 蕎麦脱穀予備日
    • ○ 予備日
      • 例年、蕎麦の収穫作業は、天候に左右されて予定どおりに実施できない場合が多くあります。そのための予備日です。
  • 11月20日(日)2005-11-20 蕎麦の選別、出荷
    • ○ 蕎麦の選別、出荷
      • 乾燥した蕎麦の実を唐箕(とうみ)にかけて選別し、袋詰めして出荷する。
  • 12月18日(日)2005-12-18 棚田オーナー藁細工教室 ...
    • ★ 藁細工教室 - 注連縄作り
      • 岩座神の老人会の指導のもと、しめなわ作りに挑戦する。
    • ★ もちつき大会
  • 1月22日(日)2006-01-22 棚田オーナー蕎麦打ち大会
    • ★ 蕎麦打ち大会
      • 岩座神で収穫した蕎麦粉を使って、手打ち蕎麦に挑戦する。

★印は棚田オーナーが主体の行事、○印は村民が主体の行事、◎印はその他の行事です。○印は村民の義務としての労働という色合が濃いもので、棚田オーナーやクラインガルテン住民に参加が要求されているものではありません。

天候などに左右されて若干の予定変更があるかもしれません。

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2006 年 4 月 1 日 (土)

岩座神の絵日記 2006年4月1日

何ということもない土曜日

絵日記 2006-04-01 何ということもない土曜日

特に何ということもない土曜日の午後五時前である。

うちの裏の田圃から岩座神の村を眺めたところだ。

岩座神の棚田は、石垣が綺麗なことと、棚田と住居が混在していることが特徴だ。

そして、真後ろに見えるのが千ヶ峰である。

絵日記 2006-04-01 何ということもない土曜日

かわって、ほぼ同じところから南側を眺めたところ。

田圃が鋤き返されているのがわかるだろう。ほぼ一ヶ月後、ゴールデン・ウィークのころ、水田にして田植えをする。

畔が輝くように白い。これは、畔がコンクリートで固めてあるからだ。数年前、岩座神では、補助金を得て、棚田の畔をすべてコンクリートで塗り固めた。

棚田の風景を写真に収めようとしてやって来るアマチュア・カメラマンたちには、このコンクリートの畔は、すこぶる評判が悪い。草が生えた土の畔の方が絶対に良い、という訳だ。

そういう人たちにとっては、棚田を耕耘しているのが、小さいとは言え、トラクターだったりするのも気に食わないのだと思う。

あなたは、トラクターや田植機やコンバインが写った棚田の写真を見たことがあるか? 無いだろう。彼らは、自分の頭の中にある「棚田」の風景にそぐわない物を絶対に写さない。

農耕牛が鋤を引いていたりしたら大喜びでシャッターを切るのだろうが、そうはイカのキンタマ、タコが引っぱる。申し訳ないが、写真家の都合は二の次だ。

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2006 年 5 月 4 日 (木) 国民の休日

岩座神の絵日記 2006年5月4日

代掻き

絵日記 2006-05-04 代掻き

岩座神では、毎年、ゴールデン・ウィークの頃に田圃の代掻きをする。

代掻きというのは、田圃を水田(泥んこの田圃)にする作業だ。あらかじめ鋤き起しておいた田圃に水を入れ、再び、耕耘して泥田にし、でこぼこを均す。

棚田と言っても、岩座神の田圃はそこそこの大きさがあるので、耕耘にはトラクターを使う。耕耘機を使う家もあるが、それはごく少数だ。

絵日記 2006-05-04 代掻き

田圃に水を入れているところだ。

それぞれの田圃は「ゆね」と呼ばれる水路から水を引入れる。一つの「ゆね」からは、複数の田圃が水を取るようになっているのだが、「ゆね」の水利権には「上が先」という不文律があって、上流側の田圃から先に水を取って良い決りになっている。

そんなわけで、すぐ上の田圃は既に代掻きが終っているのに対して、この田圃は今やっと水を引入れている状態だ。

絵日記 2006-05-04 代掻き

この写真では、「上が先」という決りとは逆に、下の田圃の方が先に水を引入れたように見える。これは、それぞれの田圃の「ゆね」が違うからだ。

水が豊富にある時は良いのだが、そうでない場合には、水利をめぐって喧嘩が生ずることもある。

代掻きが終ると、だいたい、一週間以内に田植をすることになる。

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2006 年 5 月 9 日 (火)

岩座神の絵日記 2006年5月9日

田植え

絵日記 2006-05-09 田植え

平日だが、有給休暇を取って田植えをした。

7日の日曜日に予定していたのだが、雨で中止せざるを得なかったのである。

棚田オーナーの人達には苗を手で植えてもらっているけれども、岩座神の住民は田植機を使う。

この写真は、4条植の乗用式田植機の運転席からの眺めだ。

この田圃は大きいので、作業が楽な方だ。湾曲部があるのが難点だが、曲っていない田圃は岩座神にはほとんど無いので、文句を言っても仕方がない。

絵日記 2006-05-09 田植え

平地部の耕地整理の出来た田圃では条数の多い田植機が使えるが、岩座神の棚田ではあまり大きな機械は使えない。田圃への進入路が狭くて坂道だったり、田圃自体が小さかったり細長かったりするので、大きな田植機では身動きが取れないのである。

この田圃も、本当は、4条植の田植機でも、ちょっと辛いものがある。行って帰って、もう一度行くと帰って来られなくなってしまうのだ。さらに、田圃の幅が4条の倍数になっていない、という点も問題だ。

どうするか、と言うと、「植えずに行く」という行程をどこかに入れたり、「4条のうちの2条の植付け動作を止める」というテクニックを使ったりして、何とか、ごまかすのだ。

数年前までは、歩行式(機械の後から付いて歩くやつ)の2条植でやっていた。時間はかかるけれど、その方が綺麗に植える事が出来た。

しかし、歩行式は非常に体力を使う。泥田を歩くのは本当にしんどい。乗用式を使い始めると、歩行式には戻れないのである。

歩いた跡が残っているのは、補植(植え直し)をしたからだ。

田植機が回転する四隅や、進入路の近くは、田植機では植えることが出来ないので、手で植えなければならない。それに加えて、田植機が失敗したところも、手で植え直す。この田圃はかなり失敗が多かった。

絵日記 2006-05-09 田植え

朝の9時前から始めて、昼食をはさみ、3時過ぎに田植機での作業を終った。

田植機を洗って返して(そう、実は借物なのだ)、少し補植をして、今日の作業はおしまい。やれやれ。

今度の日曜日は、棚田オーナーの田植祭。

田植が済んだ後、しばらく経って、苗が伸び始めた頃の風景がお奨めだな。

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2006 年 8 月 13 日 (日)

岩座神の絵日記 2006年8月13日

ヘリコプター

絵日記 2006-08-13 ヘリコプター

ヘリコプターで農薬の撒布をしているところ。JA が委託を受けてしている共同防除作業だ。

確か、去年までは、「岩座神では難しいから」という事で、ヘリコプターは使わず、背負い式の撒布機を使っていたと思う。

斜面ばかりだし、電柱や電線などの障害物は多いし、民家が近接しているし、田圃は小さいし、と、悪条件が重なっているから、まあ、ヘリコプターは無理なんだろうなと思っていた。

絵日記 2006-08-13 ヘリコプター

ヘリコプターと言っても、ラジコンの小さな無人機だ。

ただし、ガソリン・エンジンを積んでいて、軽トラックに乗せるには少し大きい。値段は、軽トラックより遥かに高いのだろう。よく知らない。

この狭い場所に着陸して、農薬を積替え、再び離陸して行った。

オペレータが上手なのか、機械が良くできているのか、見ていて惚れ惚れするような綺麗な飛び方をした。ホバリング時の安定感なんか見事なものだった。

オーナー田 D区画

絵日記 2006-08-13 オーナー田の様子

アンパンマンに守られたオーナー田のD区画。

写真でははっきりと見えないが、稲の穂が出ている。ただし、まだ、真っ直ぐに立っている。

A区画など、岩座神でも低い位置の田圃では、穂が重くなって垂れはじめている。

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2006 年 8 月 20 日 (日)

岩座神の絵日記 2006年8月20日

蕎麦の種蒔き

絵日記 2006-08-20 蕎麦の種蒔き

朝8時から蕎麦の種蒔き作業である。

本当は昨日の午後から種蒔き作業をする予定だったのだが、昨日は朝方に降った雨のために土が濡れていたので作業が出来なかった。

写真は、蒔種機を付けたトラクターで種を蒔いているところだ。耕起と蒔種が一度に出来るので作業効率が良い。

いきなり種を蒔く訳ではなく、一ヶ月ほど前から、何度も土を鋤いたり、除草をしたりして、田圃の準備をする必要がある。

蕎麦は結構手間がかかって大変だ。

絵日記 2006-08-20 蕎麦の種蒔き

こちらの写真は、トラクターで耕起した後、人力の蒔種機(「ごんべえ」という機種名だ)を使って種を蒔いている所。

ちょっと前までは、全部、こうやって人力で種を蒔いていた。これがかなりの重労働なのだ。

全部トラクターでやれば良いようなものだが、トラクターに付ける蒔種機は数に限りがある。全部で6台、すなわち、トラクター2台分しか無い。

それに、蒔種機を付けたトラクターは全長と重量が増えて扱いが難しくなるので、狭い田圃や、出入口が急な坂になっている田圃は、人力で種を蒔かなければならない。

絵日記 2006-08-20 蕎麦の種蒔き

三組の棚田オーナーが蕎麦の種蒔きを手伝ってくれた。

蕎麦に関係した作業は棚田オーナーの行事に組み込まれていないので、全くのボランティアだ。

非常に暑い中、人力の作業の方を手伝ってもらって、本当に有難かった。

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2006 年 8 月 25 日 (金)

岩座神の絵日記 2006年8月25日

蕎麦の発芽

絵日記 2006-08-25 蕎麦の発芽

前の日曜日に蒔いた蕎麦が奇麗に発芽している。

この田圃は、一見、人力で種蒔きをしたように見えるが、トラクターで種を蒔いたものだ。三本の筋が等間隔で並行しているのがその証拠だ。コース取りには苦心したと思う。

手前や右手奥に見えているのは、鹿除けのためのネットだ。

絵日記 2006-08-25 蕎麦の発芽

こちらも、トラクターで種を蒔いた田圃だ。

上の写真と同じように、鹿除けのネットが張られているのが田圃の向う側に見える。

*

なお、この二枚の写真は、クライン・ガルテンの管理人さんからメールで送って貰ったものだ。

*

九月の中頃になると、奇麗な花が咲くだろう。鹿や台風にやられなければ、だけれど。

蕎麦の新芽(クローズアップ)

絵日記 2006-08-27 蕎麦の発芽(クローズアップ)

一枚目の田圃のクローズアップ。

ただし、撮影は、二日後の8月27日。

たった二日のことで、かなり生長したような感じだ。

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2006 年 9 月 16 日 (土)

岩座神の絵日記 2006年9月16日

「こけ」ひかり

絵日記 2006-09-16 「こけ」ひかり

ああー(ため息)。

よく、こしひかりでなく、「こけ」ひかりだ、と言うのだが、今年は本当によく倒れている。

一昨日(木曜日)から少しづつ稲刈りが始まっているのだが、みんな、難儀している。倒れている上に、先日来続いていた雨で湿っているので、刈りにくくて仕方がない。

僕も昨日(金曜日)、稲刈りをしたのだが、倒れた稲を手作業で起こさなければコンバインで刈ることが出来ず、たくさんの仕残しが出来てしまった。

絵日記 2006-09-16 「こけ」ひかり

今日は明け方に雨が降って、稲が濡れたために、昨日の残りをコンバインで刈ることを諦めた。無理をしても、機械を傷めるだけで、良い結果は出ない。台風が来る前に片付けたかったのだが、仕方がない。

午後、叔父が手助けに来てくれた。幸い、雨は降っていなかったので、倒れのひどい所だけでも、手で刈って稲木に掛けようか、ということになった。

半日、三人で稲を刈って、写真のような稲木干しを五連作った。くたくたである。

蕎麦の花

絵日記 2006-09-16 蕎麦の花

一方、蕎麦は順調で、花を咲かせている。

この写真は、午前中、今日は一日のんびり休むか、と考えていた時に撮ったものだ。

絵日記 2006-09-16 蕎麦の花

蕎麦の花のクローズ・アップ。

まだ蕾も多い。五分咲きぐらいかな。

近付いてきている台風にやられなければ、連休明けから秋分の日ぐらいが一番の見頃だと思う。

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2006 年 10 月 9 日 (月) 体育の日

岩座神の絵日記 2006年10月9日

棚田オーナー収穫祭

絵日記 2006-10-09 棚田オーナー収穫祭

朝から雲一つ無い晴天だった。空気が澄み切っていて、遠くまで鮮やかな景色がくっきりと見えて、非常に気持ちが良い。

朝八時から棚田オーナー収穫祭の準備にかかる。

朝九時半ごろからオーナーが集ってきて、十時に挨拶をして、それぞれの田圃に分かれて、作業を開始する。

これは、稲木(いなき)にかけて天日干しにしていた稲をコンバインで脱穀しているところだ。

絵日記 2006-10-09 棚田オーナー収穫祭

脱穀して籾(もみ)になった米は、二ヶ所に集約して、籾摺り(もみすり)機にかける。

この作業はあまり人手が多くても意味がないし、機械を使う仕事でもあるので、スタッフが主になって行う。

普通、コンバインで稲刈りと同時に脱穀をした場合は、籾の水分が多いので、一旦、乾燥機に入れて、一昼夜ぐらいかけて水分を飛ばす。そうしてから、籾摺りを行う。

手で刈って、稲木で干したオーナー田の稲は、脱穀後、乾燥機を通さずに籾摺りを行っている。籾の水分が少し多いのだが、まあ、大丈夫だろう、ということで、これまでずっとそうしてきた。

絵日記 2006-10-09 棚田オーナー収穫祭

棚田オーナーの収穫作業と並行して、神戸大学のボランティア学生と村の老人たちによって、マンネン草の植え付け作業が行われる。

7月23日にポリポットに插し芽して育てたものを、石垣の石と石の間に、へばり付かせるように植えていく。

2006-07-23 岩座神の絵日記 2006年7月23日

これは棚田オーナーの行事ではないのだが、毎年、同じ日にやっている。

絵日記 2006-10-09 棚田オーナー収穫祭

収穫祭の昼食は、毎年、豚汁とおにぎりだ。

おにぎりは、今年穫れた岩座神の米(こしひかり)を炊いて握ったもので、白いのと、山葵の葉の塩漬けを混ぜ込んだのと、二種類ある。

写真は、豚汁に味噌を溶いて、最後の味付けをしているところ。

作業が終ったところから、だんだんと人が集まってくる。みんなで収穫を祝って食べよう、ということで、仕事が終って全員がそろうのを待つことにしている。

しかし、毎度のことだが、どうしても籾摺りの作業が遅れがちになる。腹が減ったなー、まだかなー、と思う。

絵日記 2006-10-09 棚田オーナー収穫祭

十二時半ごろから昼食。

実は、まだ籾摺りの作業が完全には終っていなかった。籾の水分が多すぎて、籾摺り機の中で詰ってしまうトラブルが発生していた。かなり遅くなりそうだから、スタッフ以外は先に昼食を始めてもらおう、ということになった。

会場は、棚田の集いを行ったのと同じ田圃だ。

2006-09-24 岩座神の絵日記 2006年9月24日

絵日記 2006-10-09 棚田オーナー収穫祭

食事の後、案山子コンテストの投票を行う。

棚田オーナーも、ボランティア学生も、村の老人たちも、スタッフも、一人一票を投じる。

ちょっと集計に手間取った。

今年度の案山子コンテストの結果、入賞した案山子は次の通りだ。

区画 かかし 賞品
一等賞 A-2 はばたん 岩座神の米(白米) 20 kg
二等賞 D-4 こうのとり 15 kg
三等賞 D-2 あんぱんマン 10 kg
努力賞 F(B-3) 稲ばうぁー 10 kg

2006-07-23 案山子のポートレート 2006

一時半ごろ、案山子コンテストの表彰式も終り、みんなで会場を片付けた。

そして、今年収穫したオーナー田の米(玄米46kg)をオーナーに引き渡して、流れ解散になったのが二時頃だった。

やれやれ、終った、と思ったら、終っていなかった。続きがあるのである。

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